大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(行ケ)60号 判決

〔主文〕特許庁が、昭和四十五年四月二十七日、同庁昭和四二年審判第五、一〇三号事件についてした審決は、取り消す。訴訟費用は、被告の負担とする。

〔事実〕第一当事者の求めた裁判

原告訴訟代理人は、主文同旨の判決を求め、被告指定代理人は、「原告の請求を棄却する。」との判決を求めた。

第二 請求原因

原告訴訟代理人は、請求原因として、次のとおり述べた

一 特許庁における手続の経緯

原告は、登録第五八一、五七〇号(考案の名称「二段ベッド」、登録出願昭和三十三年三月三十一日、設定登録昭和三十八年二月十一日、以下「本件登録実用新案」という。)の実用新案権者である。

原告は、本件登録実用新案について、昭和四十二年七月六日訂正審判を請求し、昭和四二年審判第五、一〇三号事件として審理されたが、特許庁は昭和四十五年四月二十七日、「本件審判の請求を却下する。」旨の審決をし、その謄本は、昭和四十五年五月二十八日、原告に送達された。

二 本件審決の理由

請求人(原告)は、昭和四十二年九月十一日付および昭和四十二年十月十三日付本件登録実用新案の登録を無効とする旨の各審決に対して、東京高等裁判所へ各審決取り消しの訴を提起した。これに対し昭和四十四年十月二十一日「原告の請求は、いずれも棄却する。」旨の判決があり、昭和四十四年十一月十一日、本件登録実用新案の無効が確定した。したがつて、本件訂正審判の請求は、その訂正しようとする対象物がないものに帰するから、不適法な請求として却下すべきものとする。

三 本件審決を取り消すべき事由

本件登録実用新案に対して、訴外飛弾産業株式会社、同久保木工株式会社、同内田車輛株式会社、および同フランスベッド株式会社の四名よりそれぞれ登録無効審判の請求があり、昭和四十二年九月十一日および同年十月十三日、それぞれ「本件登録実用新案の登録を無効とする」旨の各審決があり、原告は、右各審決を不服として、東京高等裁判所へ各登録実用新案無効審決取消請求の訴を提起したところ、併合審理の上、昭和四十四年十月二十一日、「原告の請求を、いずれも棄却する。」旨の判決があつたことは、本件審決の指摘するとおりである。しかし、原告は、これに対して、昭和四十五年十一月七日、上告を提起し、現に、最高裁判所昭和四五年(行ツ)第五号事件として係属している。

したがつて、前記東京高等裁判所の判決は確定を遮断されていることが明らかであつて、本件審決は、右事実を誤認して本件訂正審判の請求を不適法として却下した違法のものであるから、取り消されるべきものである。

第三 被告の答弁

被告指定代理人は、答弁として「原告主張の請求原因事実をすべて認める。」と述べた。

〔理由〕原告主張の請求原因事実は、すべて当事者間に争いがない。そして、右事実によれば、本件登録実用新案の登録を無効とした審決はまだ確定しておらず、本件登録実用新案は、訂正審判の対象として、なお存在することが明らかである。したがつて、この事実を誤認し、原告の訂正審判の請求を不適法として却下した本件審決は、違法というべきである。よつて、その取り消しを求める原告の本訴請求はこれを認容し……主文のとおり判決する。(服部高顕 石沢健 滝川叡一)

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